【ドイツ旅行】フランクフルトからの日帰りにおすすめの都市8選

ドイツの玄関口として、多くの旅行者が訪れるフランクフルト。ドイツ旅行のスタートやゴールとして、フランクフルト空港やフランクフルト中央駅を利用する方も多いことでしょう。

フランクフルトの日帰り圏に、多くの魅力ある観光スポットがあることをご存知でしょうか。フランクフルトは周辺各都市へのアクセスが良いために、あちこちに泊まるよりも、フランクフルトから日帰りしたほうがラクなこともあります。特に大きな荷物がある場合、フランクフルトからの日帰り旅行がおすすめ。

フランクフルトからの日帰り旅行におすすめしたい、8つの都市をご紹介しましょう。

マインツ

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フランクフルトからの日帰り旅行先の筆頭に挙げられるのが、大聖堂の街マインツ。中世前期にはドイツで最も重要な宗教都市となり、「黄金のマインツ」とうたわれました

マルクト広場に面して建つ大聖堂は、名実ともにマインツのシンボル。ドイツ三大大聖堂のひとつに数えられ、ロマネスク様式をベースとした堂々たる姿が見る者を圧倒します

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シャガールのステンドグラスで知られるザンクトシュテファン教会も、大聖堂に負けずとも劣らない人気観光スポット。シャガールが生涯最後に手がけたステンドクラスといわれる幻想的なブルーを基調としたステンドグラスの数々は、深海にいるかのような不思議な安らぎを与えてくれます。

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マインツは、活版印刷を発明したグーテンベルクの生誕地としても有名。グーテンベルクの最初の出版物である「グーテンベルク聖書」や、時代ごとの印刷機など、印刷の歴史のすべてがわかる「グーテンベルク博物館」もお見逃しなく。

ラインラント=プファルツ州の州都であり、人口20万超のマインツは、ドイツでは大きな部類に入る都市。ショッピング施設が充実しているので、フランクフルトからの日帰りにもいいですが、フランクフルトの代替宿泊地にもぴったりです。

フランクフルトからマインツへのアクセス

フランクフルト中央駅(Frankfurt am Main Hauptbahnhof)からマインツ中央駅(Mainz Hauptbahnhof)へは、Sバーン(近郊列車)またはRE(快速列車)でわずか40分。フランクフルト空港にいたっては、わずか25分前後というアクセスの良さを誇ります。

マールブルク

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グリム兄弟ゆかりの地を結ぶメルヘン街道に属するマールブルクは、グリム兄弟が大学に通った坂の街

グリム兄弟が「膝を動かして歩く街だ」「家の数より階段のほうが多い街」だと評した通り、旧市街の道のほとんどが坂道はまたは階段で、宙に浮かんでいるかのような立体感のある街並みは壮観です

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細い路地や階段には、美しい装飾が施された木組みの家々がぎっしり。メルヘン街道らしい、絵本のような風景が広がっています。

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高台に建つ方伯城と並ぶマールブルクのアトラクションが、グリム童話のオブジェめぐり。「シンデレラ」の靴や、「かえるの王様」のかえる、「白雪姫」の鏡など、グリム童話に関連するオブジェが街に点在していて、グリム兄弟ゆかりのスポットとともに、「グリム兄弟の小道」という観光ルートになっています。

意識しなければ見つけにくいものも多く、オブジェを探しながらの街歩きは、楽しさ倍増。

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マールブルクといえば、忘れてはならないのが聖エリザーベト教会の存在。ハンガリーの王女として生まれ、死後聖人に列せられたエリザーベトに捧げられた教会で、エリザーベトの生涯を表現した繊細なステンドグラスは見逃せません。

フランクフルトからマールブルクへのアクセス

フランクフルト中央駅からマールブルク(Marburg)駅までは、RE(快速列車)またはRB(普通列車)で、60~75分程度です。

リューデスハイム

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「ラインの真珠」と呼ばれるリューデスハイムは、ライン川沿いの可愛らしい街。ライン川クルーズの起点としても知られ、観光シーズンともなれば多くの旅行者で賑わいます。

リューデスハイムの代名詞といえば、「世界で最も陽気な小路」とも呼ばれる「つぐみ横丁」。全長150メートルほどの小さな路地ですが、ワイン酒場が軒を連ね、いつも賑やか。趣向を凝らしたレトロな看板や装飾が並び、どこを切り取ってもフォトジェニックです。

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ワイン名産地として名高いリューデスハイムで飲むラインガウワインは、格別。ワイン好きならずとも、ぜひ一度はリースリングの白ワインを試してみてください。

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リューデスハイムを訪れるなら、ゴンドラリフトの乗車もマスト。街の北からニーダーヴァルト行きのゴンドラリフトに乗れば、ライン川とブドウ畑が織り成す絶景が堪能できます

フランクフルトからリューデスハイムへのアクセス

フランクフルト中央駅からリューデスハイム(Rüdesheim am Rhein)駅までは、私鉄VIAで約70分。私鉄といっても、ドイツ鉄道との違いを意識する必要はあまりなく、ドイツ鉄道のホームページで検索時刻検索ができ、鉄道パスも有効です。

ダルムシュタット

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フランクフルトから最も近い中規模都市のひとつ、ダルムシュタットは、知る人ぞ知る芸術と建築の街。最大の見どころは、ユーゲントシュティール(広義の「アールヌーヴォー」と同じ)の聖地といっても過言ではない「マチルダの丘」です

マチルダの丘は、19世紀末~20世紀初頭にかけて、ヘッセン・ダルムシュタット大公が造り上げた芸術村。結婚を宣誓する大公の手をモチーフにした結婚記念塔がシンボルで、現在も年間500組のカップルがここで永遠の愛を誓います。ロシア教会や芸術家コロニー美術館もあり、建築好きにはまさに天国。

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現役住居のため、内部の見学はできませんが、オーストリアの建築家フリーデンスライヒ・フンデルトヴァッサーが手がけた集合住宅「ヴァルトシュピラーレ」も、建築好き、写真好きにはたまらないスポット。奇抜でカラフルな建物は、ジブリ映画から飛び出してきたかのようです。

フランクフルトからダルムシュタットへのアクセス

フランクフルト中央駅からダルムシュタット中央駅(Darmstadt Hauptbahnhof)までは、RB(普通列車)で約20分。ICE(ドイツ版新幹線)も利用できますが、ここでICEを利用するメリットはほぼありません。

ハイデルベルク

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古城と大学の街ハイデルベルクは、南西ドイツ有数の観光都市。街を見下ろす高台にそびえるハイデルベルク城は、ドイツ三大名城のひとつに数えられます

かつてプファルツ選帝侯の居城でしたが、戦争や火事で荒廃し、なかば廃墟のような姿に・・・しかし、それこそが、ハイデルベルク城をほかにはない味わい深い城に仕上げているのです。城内では世界最大といわれるワインの大樽や、ドイツ薬事博物館を見学しましょう。

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ハイデルベルクでは、大学も人気の観光スポット。ドイツ最古の歴史をもつハイデルベルク大学には、素行の悪い学生たちを閉じ込めていた「学生牢」があり、現在は一般に公開されています

学生牢に「収監」されることは、当時の学生たちにとってはむしろステイタスだったとか。学生たちが書き残したイラストや文字がびっしりかかれた学生牢は、ノスタルジックな空気でいっぱいです。

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ハイデルベルクで絶対に見逃せない絶景が、ネッカー川を挟んで旧市街の対岸にある「哲学者の道」からの眺め。かのゲーテも思索にふけった場所で、ここから見る旧市街とハイデルベルク城、ネッカー川にかかるアルテ橋のコラボレーションは、ドイツを代表する風景のひとつです。

フランクフルトからハイデルベルクへのアクセス

フランクフルト中央駅からハイデルベルク中央駅(Heidelberg Hauptbahnhof)までは、IC(都市間特急)またはICE(ドイツ版新幹線)で、一時間弱。ICでもICEでも、所要時間はほぼ同じです。

リンブルク

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ラーン川沿いのリンブルクは、色鮮やかな大聖堂で知られる街

高台に建つお城のような大聖堂は、13世紀前半のロマネスク様式からゴシック様式への過渡期に造られたため、両方の特徴をあわせもっています。内部の見どころは、内壁に残る13世紀のフレスコ画。大聖堂の至宝を展示する、司教区博物館にも立ち寄りましょう。

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ドイツ木組みの家街道に属するリンブルクは、メルヘンチックな木組みの街並みも魅力。旧市街には、カラフルな木組みの家々がひしめき合っていて、木組みの建物が好きな人なら、シャッターが止まらなくなってしまうこと請け合いです。

リンブルク旧市街のお店の多くは、日曜もオープンしているので、ドイツではほとんどのお店が閉まる日曜日も、お土産ショッピングが楽しめますよ。

フランクフルトからリンブルクへのアクセス

フランクフルト中央駅から、リンブルク(Limburg an der Lahn)駅までは、RB(普通列車)で約70分です。

イトシュタイン

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日本のガイドブックに載らないイトシュタインは、知る人ぞ知る小さな木組みの町。リンブルク同様、ドイツ木組みの家街道の一員で、豪華な木組みの家々が数多く残っています

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なかでも、市庁舎に面したケーニッヒ・アドルフ広場が最大の見どころ。ツーリストインフォメーションが入る「キリンガーハウス」は、イトシュタインでも特に装飾性に富んだ木組みの建物で、ずっと眺めていたくなるほどの美しさです。向かいのオレンジの外壁の市庁舎とのコラボレーションは、最高にメルヘンチック!

小さな町ながら、別世界に迷い込んだかのような気分に浸れます。

フランクフルトからイトシュタインへのアクセス

フランクフルト中央駅からイトシュタイン(Idstein)駅までは、RB(普通列車)で約35分。リンブルクと同じ方面なので、リンブルクとイトシュタインの2都市を一日で周ることもできます。

ヴィースバーデン

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ヘッセン州の州都ヴィースバーデンは、ドイツ有数の温泉保養地。2000年前にはすでにローマ人が利用していたというヨーロッパ最古の温泉地のひとつで、ゲーテやワーグナー、ドストエフスキーといった著名人にも愛されました

州都にもかかわらず、じつに街の6割以上が緑に覆われ、落ち着いた街並みは優雅そのものです。

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そんなヴィースバーデンのシンボルが、有名なカジノが入るクアハウス。クラシカルな雰囲気に魅了されるカジノは、見学のみの利用も可。ドストエフスキーの小説「賭博師」の題材になったことでも知られ、片隅にはドストエフスキーが大敗を喫したルーレットも置かれています

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街の中心には、端正な塔をもつマルクト教会が建ち、98メートルの主塔をもつ美しいシルエットは圧巻。隣に建つ市庁舎とのハーモニーも素晴らしく、歩いているだけで癒されること間違いありません。

フランクフルトからヴィースバーデンへのアクセス

フランクフルト中央駅からヴィースバーデン中央駅(Wiesbaden Hauptbahnhof)へは、Sバーン(近郊列車)で40~50分程度。フランクフルト空港(Frankfurt am Main Flughafen)駅からも直通で行くことができます。

おわりに

今回紹介した8都市は、いずれもフランクフルトから鉄道で30~70分程度で気軽に行ける場所ばかりです。

あちこちに泊まりながら移動する周遊旅行もいいですが、フランクフルトのホテルに荷物を置いて、気ままな日帰り鉄道旅。ドイツ旅行の行程の一部でも、そんな自由な旅のスタイルを採り入れてはいかがでしょうか。

※今回ご紹介した都市への鉄道の運行スケジュールは、すべてドイツ鉄道のホームページで検索できます。