ライン河畔にたたずむリューデスハイムは、「ラインの真珠」とも呼ばれる小さな可愛らしい町。
「世界で一番陽気な小路」と称される「つぐみ横丁」や、名産の白ワインが有名で、ライン川クルーズの起点でもあることから、年間300万人以上の人々が訪れるドイツ有数の観光地です。
半日もあれば観光が終わってしまうようなこぢんまりとした町ではありますが、メルヘンチックな町並みと、ワインの町ならではの独特の雰囲気は格別。ここから、ライン川の旅へと出かけましょう。
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ラインの真珠・リューデスハイム
リューデスハイム(正式名称「リューデスハイム・アム・ライン(Rüdesheim am Rhein)」)は、ドイツ中西部のライン川のほとりに位置する町。
人口1万人程度の小さな町でありながら、ブドウ畑に囲まれた可愛らしい町並みは、「ラインの真珠」の異名をとるほどの美しさです。
ドイツ屈指のワインの名産地でもあり、町には名産のラインガウワインを出すワイン酒場や、ワインショップ専門店がそこかしこに。あちこちで、昼間からワイングラスを傾ける陽気な旅行者の姿が見られます。
リューデスハイムは、ライン川クルーズの起点としても人気で、特に古城が集中するリューデスハイム~ザンクト・ゴアール間がハイライト。フランクフルトからの便も良く、ライン川クルーズの前に立ち寄るのにぴったりの観光地です。
リューデスハイムへのアクセス
リューデスハイムへのアクセスの起点は、フランクフルトが便利。
フランクフルト中央駅(Frankfurt(Main)Hbf)から、リューデスハイム駅(Rüdesheim(Rhein))までは、私鉄VIAで約70分、フランクフルト空港駅(Frankfurt(M) Flughafen Regionalbf)からリューデスハイム駅までは、Sバーンと私鉄VIAを乗り継いで、約80分です。
フランクフルトに泊まる必要がないのであれば、ドイツに到着したその日にリューデスハイムに向かってもいいですね。
リューデスハイムの代名詞「つぐみ横丁」
リューデスハイムの代名詞といえば、世界的にも有名な路地「つぐみ横丁(Drosseogasse)」。その名は、通りに面した建物の屋根の上に設けられた、つぐみ鳥の飾りに由来します。
全長わずか150mほどの小さな小路ですが、通りの両側にはワイン酒場が連なり、昼夜問わず賑やか。レストランではライブ演奏が行われることも多く、「世界で一番陽気な小路」とも呼ばれるほどです。
趣向を凝らしたレトロな看板やメルヘンチックな壁画が連なる通りは、ノスタルジックなムード満点。写真好きなら、きっとシャッターが止まらなくなってしまうはずです。
リューデスハイムを訪れたら、ぜひ一度はこのつぐみ横丁で名産のラインガウワインを味わってみてください。
ブレムザー城(ワイン博物館)
リューデスハイム駅からほど近くに建つ、廃墟のような石造りの城が、12世紀ごろに建てられたブレムザー城。
現在はワイン博物館となっていて、各時代で使われてきたワイン造りの道具や繊細なワイングラスの数々が展示されています。
※2020年1月現在閉館中。2020年中に新たなコンセプトで再オープンの予定です。
ブレムザー館(ジークフリート・メカニカル楽器博物館)
リューデスハイムの町なかで、ひときわ目を引く赤い木組みの建物が、16世紀建造のブレムザー館。
現在は「ジークフリート・メカニカル楽器博物館」という自動演奏楽器のコレクションを展示する博物館として使われていて、コレクション数は350と、ヨーロッパ最大の規模を誇ります。
ガイドツアーに参加すると、オルゴールやからくり楽器による演奏を聴くことができ、珍しい自動演奏楽器の数々は、楽器に興味のない人でも魅了されること間違いなし。人形で飾られた巨大なオルゴールのような楽器や、世界的にも珍しい6つのバイオリンが組み込まれた楽器など、見ているだけで楽しいものもたくさんありますよ。
ジークフリート・メカニカル楽器博物館を見学される方は、まずは入口でガイドツアーの時間をチェックし、ツアー開始時間に合わせて再度訪れるといいでしょう。
ニーダーヴァルト
リューデスハイムの町はずれに位置する眺望スポットが、ラインの絶景を眺める展望台「ニーダーヴァルト」。
山頂では、1871年のドイツ帝国統一を記念して建てられた女神ゲルマニアの像が堂々たる姿を見せています。高さはなんと38メートル。左手に太刀を、右手に皇帝の冠を持ち高々と掲げている様子はドイツ帝国の象徴です。
ここにドイツ帝国の統一を記念したゲルマニア像が造られたのは、ここがドイツの真ん中に近く、かつ当時から観光地として有名だったからなのだとか。
ゲルマニア像はもちろん、巨大なガゼボとそこから見下ろせるリューデスハイムの街並みとライン川の風景も見逃せません。
リフトからの眺めは壮観
リューデスハイムを訪れるなら、ゴンドラリフトからの絶景も必見。
リューデスハイムの町の北側に、町とニーダーヴァルドを結ぶゴンドラリフトの乗り場があり、ゴンドラの上からは、ブドウ畑とライン川に囲まれた絵画のようなリューデスハイムの風景が堪能できます。
乗り場でオーダーすれば、リフト上でワインを楽しむことも可能。さすがは、ワインの名産地ですね。
名物「リューデスハイマ―・カフェ」
リューデスハイムの名物といえば白ワインですが、もうひとつ有名な飲み物があります。それが、「リューデスハイマ―・カフェ」。
独特の形をした専用のカップに、地元産のブランデー「アスバッハ」を注ぎ、角砂糖を入れてフランベ。そこにコーヒーを注いで、生クリームをたっぷり盛れば、リューデスハイマ―・カフェの完成です。
気になるお味ですが、「かなりアルコール分が強い大人のコーヒー」という感じ。砂糖が入っているので、ほのかな甘みもあり、目の前で作ってくれるパフォーマンスとともに楽しめます。つぐみ横丁にある「Eis Cafe Engel」など、リューデスハイムのカフェやレストランでお試しあれ。
リューデスハイムらしい滞在なら「リューデスハイマ―・シュロス」
フランクフルトからの日帰りや、ライン川クルーズの合間に短時間訪れるだけでも楽しめるリューデスハイムですが、独特の雰囲気をじっくりと味わいたいなら、リューデスハイムでの宿泊がおすすめ。
なかでも、つぐみ横丁に位置する「リューデスハイマー・シュロス」は、名物的ホテル&レストランで、リューデスハイムらしい滞在が楽しめます。
歴史あるお城のような外観ですが、ホテル内部は近代的に改装されていて、いたって快適。駅とライン川クルーズの船着場、どちらからも近いつぐみ横丁にあるだけに、観光には理想的なロケーションです。
ホテルよりも先にワインレストランとしてオープンしているだけに、併設のレストランはワインの種類が豊富で、希少なヴィンテージワインを飲むこともできます。
夜になるとバンドの生演奏や歌も披露され、音楽に合わせて踊り出すお客さんも続出。「世界で一番陽気な小路」の本領発揮といったところです。
ライン川クルーズに出発
リューデスハイムからライン川クルーズに出発される方のために、ライン川クルーズの情報も紹介しておきましょう。
リューデスハイムの市庁舎からライン川に向かって真っすぐ歩くと、KDライン観光船の船着場があり、そこからライン川クルーズに乗船することができます。
チケットは当日船着場で買うことができ、事前予約は不要。支払いにはクレジットカードも使えます。出航直前で乗り込んでくるお客さんもいますが、出発時刻の10分前までには船着場についておくようにすると無難です。
4 月中旬~10月上旬のハイシーズンなら、朝9:15からコブレンツ方面行きの便がありますよ。
おわりに
フランクフルトからのアクセスも抜群で、ライン川クルーズの起点にもぴったりのリューデスハイムは、小さいながらも魅力あふれる町。
名産のラインガウワインとともに、ライン川とブドウ畑に囲まれたメルヘンチックな町並みを堪能しましょう。