女子旅におすすめなドイツの穴場都市9選 ~可愛すぎるおとぎの国へ

比較的治安の良いドイツは、女子旅にもおすすめの国。外国人観光客が訪れるような街のほとんどに鉄道が通っているので、アクセスの心配もありません。

ミュンヘンやローテンブルク、ベルリン、ドレスデンなど、日本でも有名な観光都市を多数抱えるドイツですが、日本ではあまり知られていない穴場観光地がまだまだあります。

今回はドイツを旅する女性のために、女子旅におすすめなドイツの穴場的9都市をピックアップしました。いずれも治安が良く、鉄道でアクセスでき、街並みが可愛らしいところばかり!もちろん、女性一人旅でも問題ありません。

リューベック

北ドイツ・シュレースヴィヒ=ホルシュタイン州に属するリューベックは、「ハンザの女王」と呼ばれた古都。中世後期に北部ヨーロッパの経済圏を牛耳った、ハンザ同盟の盟主として繁栄しました。当時の栄光を今に伝える重厚かつ優美な旧市街は、まるごと世界遺産に登録されています。

リューベックのシンボル的存在が、かつて街の入口を守っていたホルステン門。2つのとんがり屋根が印象的で、旧50ドイツマルク紙幣にもデザインされていた、ドイツで最も有名な門のひとつです。

ホルステン門をくぐって旧市街への中心・マルクト広場にやってくると、ハンザ都市らしい風格が漂う市庁舎が目に入ります。さまざまな建築様式が入り混じったユニークな姿は、何度見ても飽きないほど。宮殿のように豪華な内部は、ガイドツアーで見学することができます。

リューベックで忘れてはならないのが、名物のマジパン。市庁舎の向かいには、マジパンの名店「ニーダーエッガー」の本店があり、2階のカフェではマジパンを使用したケーキがいただけるのです。「マジパンはぼそぼそして苦手」という人もいるかもしれませんが、本場のフレッシュなマジパンを使ったケーキは、マジパンの概念を覆してくれるはずです!

ありとあらゆるマジパン製品が並ぶ1階のショップ、マジパン製のホルステン門などが見られる3階の「マジパン博物館」とあわせて、リューベックのマジパンワールドをご堪能ください。

リューベックへのアクセス

リューベックに最も近い大都市は、北ドイツ最大の都市ハンブルク。ハンブルク中央駅(Hamburg Hbf)からリューベック中央駅(Lübeck Hbf)まではRE(普通列車)で約45分。ハンブルクからの日帰りも十分可能です。

リューベック3
「バルト海の女王」とうたわれた、世界遺産の町リューベック観光【北ドイツ】

リューネブルク

リューネブルクは、北ドイツ・ニーダーザクセン州の歴史都市。古くから製塩業で栄え、リューベックへと至る「塩街道」の起点として莫大な富を築きました。今では静かな田舎町といった雰囲気ながら、旧市街には驚くほど豪華なレンガ造りの建物が数多く残っています。

リューネブルクでひときわ目立つ不思議な形の建物が、1907年に建てられた給水塔。塔の上からはリューネブルクの見事なパノラマが楽しめ、塔内部には水に関する展示や、姉妹都市の関係にある鳴門市の紹介もあります。

イルメナウ川沿いは、絵本のような街並みが広がるリューネブルクでもひときわロマンティックなエリア。テラス席から古いクレーンを眺めながら、食事やティータイムはいかがですか。

リューネブルクへのアクセス

リューネブルクへの起点として最も便利なのが、ハンブルク。ハンブルク中央駅(Hamburg Hbf)からリューネブルク(Lüneburg)駅までは、私鉄で40分前後です。

【北ドイツの真珠】木組みの町並みが絵本のような町、ツェレ

ツェレ

北ドイツを代表する木組みの町のひとつが、ニーダーザクセン州のツェレ。童話の世界のような街並みから、「北ドイツの真珠」とも称されます。

ドイツに木組みの町は数あれど、ツェレの木組みの家々は、ひときわ色鮮やかでエレガント。なかでも、細やかな装飾が施された「ポッペナ―ハウス」は、ツェレで最も美しい木組みの家として有名です。

木組みの家々のみならず、17世紀にツェレ大公のために建てられたルネッサンス様式とバロック様式が入り混じった城や、華麗なるルネッサンス様式の市庁舎も見逃せません。

ツェレへのアクセス

ツェレへの起点は、ニーダーザクセン州の州都ハノーファーが便利。ハノーファー中央駅(Hannover Hbf)からツェレ(Celle)駅までは、私鉄で30分弱です。また、ハンブルクからツェレまではICE(ドイツ版新幹線)で70分程度、リューネブルクからは約40分と、それぞれ日帰り旅行が可能です。

クヴェトリンブルク

ドイツ中北部、ザクセン=アンハルト州のハルツ地方に位置するクヴェトリンブルクは、1000年の歴史をもつ古都。ドイツ(ザクセン朝東フランク)王国の初代王ハインリヒ1世が重要な拠点として位置づけたため「ドイツ発祥の地」とも呼ばれています。

ヨーロッパでも有数の木組みの街並みで知られ、世界遺産に登録されている旧市街には、なんと1300もの木組みの家々が。あらゆる時代のあらゆる建築様式の木組みの建物が残るクヴェトリンブルクは、まさに天井のない博物館なのです。

クヴェトリンブルク最大の見どころが、ハインリヒ1世の居城として建てられた城山。現在ここには、ロマネスク様式の傑作といわれる聖セルヴェティウス教会があり、ハインリヒ1世の息子であるオットー1世の墓所があるほか、ドイツ屈指の教会財宝が展示されています。

緑が生い茂る石造りの市庁舎と木組みの建物、背後にある教会の塔が織り成す風景が見事なマルクト広場は、クヴェトリンブルク旧市街の中心。周辺には色とりどりの木組みの家々が並び、ただ歩いているだけで心躍ります。

クヴェトリンブルクへのアクセス

クヴェトリンブルクは、ドイツの主要大都市からはやや離れていて、マクデブルク中央駅(Magdeburg Hbf)からクヴェトリンブルク(Quedlinburg)駅までRE(快速列車)で約75分。エアフルト中央駅(Erfurt Hbf)からはICEとREを乗り継いで2時間前後、ベルリン中央駅(Berlin Hbf)からはICEとREを乗り継いで3時間半前後。

ほかに、ゲッティンゲンから格安バスのFlixbusで行く方法もあります(所要約3時間)。

ヴェルニゲローデ

ヴェルニゲローデは、クヴェトリンブルク同様ハルツ地方に位置するカラフルな木組みの町。クヴェトリンブルクが、古色蒼然とした落ち着いた雰囲気を漂わせているのに対し、ヴェルニゲローデは、おもちゃ箱のようなよりカラフルな街並みが特徴的です。

ヴェルニゲローデ旧市街のシンボルといえば、2本のとんがり屋根と鮮やかなオレンジの外壁が印象的な木組みの市庁舎。童話の世界から飛び出してきたかのようで、一目惚れしてしまうほどの可愛らしさです。

ヴェルニゲローデで最も小さな「クラインステ・ハウス」など、周辺に連なるキュートな木組みの家々もお見逃しなく。

旧市街と並ぶヴェルニゲローデの見どころが、街を見下ろす高台にそびえるヴェルニゲローデ城。日本ではほとんど無名ですが、「ラプンツェルが過ごした城」と噂されるほど、独特の雰囲気をもつ古城で、内部はガイドツアーで見学できます。

ヴェルニゲローデへのアクセス

ヒルデスハイム中央駅(Hildesheim Hbf)からヴェルニゲローデ(Wernigerode)駅まで、私鉄とRE(快速列車)を乗り継いで約1時間30分。ハノーファー中央駅からは、私鉄とREを乗り継いで2時間弱です。クヴェトリンブルクからヴェルニゲローデまではREで50分弱なので、この2都市はあわせて周るといいですね。

マールブルク

ドイツ中西部・ヘッセン州のマールブルクは、グリム兄弟ゆかりのメルヘン街道沿いの街。兄弟が大学に通った坂の街として知られ、現在もグリム兄弟が住んだ下宿が保存されています。

木組みの建物がぎっしり並ぶ旧市街は、「アッパータウン」と呼ばれる高台にあり、グリム兄弟のヴィルヘルムは、マールブルクを「家の数より階段の方が多い街だ」と評しました。

グリム童話に出てきそうな市庁舎が建つマルクト広場周辺には、メルヘン街道にふさわしいメルヘンチックな木組みの街並みが広がっています。

マールブルクのお楽しみといえば、グリム童話のオブジェ探し。「グリム兄弟の小路」と名付けられた観光ルート上には、「シンデレラ」のパンプスや、「カエルの王様」のカエル、「白雪姫」の鏡など、グリム童話にちなんだアートが点在しています。

探さなくても目に飛び込んでくるものもあれば、意識していないとなかなか見つけられないものもあり、オブジェを探しながら歩けば、マールブルクの街歩きがいっそう楽しくなるはずです。

マールブルクへのアクセス

マールブルクへは、フランクフルトからの日帰り旅行が可能。フランクフルト中央駅(Frankfurt(Main)Hbf)からマールブルク(Marburg(Lahn))駅へは、RE(快速列車)で一時間弱です。

コッヘム

ドイツ中西部・ラインラント=プファルツ州に位置するコッヘムは、モーゼル河畔の古城とワインの町。ブドウ畑が広がる山の頂には、中世の面影を残すライヒスブルク城(コッヘム城)がそびえ、カラフルな旧市街と美しいコントラストを見せてくれます。

ドラクエに出てきそうな、雰囲気満点のコッヘム城内部は、ガイドツアーで見学可能。もともと防衛目的の城だっただけに、地上に抜けられる秘密の通路など、面白い仕掛けも見られますよ。

マルクト広場を中心に広がる旧市街は、誰もがときめいてしまうほどの可愛らしさ。写真好きなら、シャッターが止まらなくなってしまうこと請け合いです。

コッヘムにやってきたら、名物のモーゼルワインも見逃せません。ワイン酒場で味見をして、気に入ったものがあればお土産に持って帰るのもいいですよ。モーゼルのリースリングはワイン初心者にも飲みやすいものが多いので、ワイン好きならずともぜひ一度は試してみてください。

コッヘムへのアクセス

コッヘムに最も近い大都市は、コブレンツ。コブレンツ中央駅(Koblenz Hbf)からコッヘム(Cochem(Mosel))駅までは、RE(快速列車)でわずか35分。トリーア中央駅(Trier Hbf)からはREで50分弱、フランクフルト中央駅(Frankfurt(Main)Hbf)からは、REで約2時間30分です。

バンベルク

ドイツ南東部・バイエルン州に位置するレグニッツ河畔の古都バンベルク。世界遺産に登録されている旧市街は、「ドイツで最も美しい」といわれる旧市街のひとつです。古くから司教都市として発展し、壮麗なる街並みを築いてきたことから、「フランケン地方のローマ」とも呼ばれてきました。

バンベルク最大の見どころのひとつが、ドイツでも有数の大聖堂。街を見下ろす威厳あふれる外観はもちろんのこと、「バンベルクの騎士」の像や、リーメンシュナイダーによる石棺の彫刻など、内部にも一級の芸術品が詰まっています。

重厚な雰囲気が漂う山の手とは打って変わって、レグニッツ川沿いの小ヴェネツィア地区は、のどかな空気が流れる素朴なエリア。かつて漁師たちが暮らしていた一画で、可愛らしい木造の家々が並ぶ光景は、どこなつかしい気持ちにさせてくれます。

ビール好きなら必見。バンベルクには「ラオホビア」と呼ばれる名物の燻製ビールがあります。強烈なスモーク臭があるので好き嫌いが分かれるところですが、ラオホビアを使った料理は誰でも楽しめるグルメ。老舗の醸造所兼レストランの「シュレンケルラ」で試してみてください。

バンベルクへのアクセス

バンベルクへの起点として最も便利なのが、ニュルンベルク。ニュルンベルク中央駅(Nürnberg Hbf)からバンベルク(Bamberg)駅までは、RE(快速列車)で約40分です。

レーゲンスブルク

レーゲンスブルクは、ドイツ南東部・バイエルン州に属するドナウ河畔の古都。

ドイツの旧市街の多くが第二次世界大戦後の再建である一方、レーゲンスブルクは戦災を免れたため、本物の中世の街並みがそのままに残っているのです。「ドイツ中世の奇跡」とも呼ばれる旧市街は、まるごと世界遺産に登録されています。

レーゲンスブルクのシンボルが、ドイツで最も古い石橋。ドナウ川の対岸から眺める旧市街と石橋が織り成す風景は、ため息が漏れるほどの素晴らしさです。

バイエルン州で最も重要なゴシック建築とされる大聖堂は、レーゲンスブルク旧市街のランドマーク。「ドームシュパッツェン」と呼ばれる少年合唱団も有名で、毎週日曜日10時からのミサでその美声を聴くことができます。

パステルカラーの建物が連なるレーゲンスブルクは、個人経営の小さなカフェやショップが多く、散策好きにうってつけ。街歩きの合間には、石橋のたもとにあるドイツ最古のソーセージ屋さん「ヒストーリッシェ・ヴルストキュッヘ」で特製の炭火焼きソーセージを召し上がれ。

レーゲンスブルクへのアクセス

レーゲンスブルクへは、ミュンヘンまたはニュルンベルクからのアクセスが便利。ミュンヘン中央駅(München Hbf)からレーゲンスブルク中央駅(Regensburg Hbf)へは、RE(快速列車)でおよそ1時間30分。ニュルンベルク中央駅(Nürnberg Hbf)からは、REで約1時間です。

レーゲンスブルクはチェコとの国境に近いので、ミュンヘンからプラハに向かう際に立ち寄るのもいいでしょう。

おわりに

ドイツには、日本ではあまり知られていない素敵な場所がたくさんあります。「行ってみたい!」と思う街は見つかったでしょうか。

ミュンヘンなどの大都市は、旅の起点に便利ですが、大都市や有名観光地ばかりをつないでいくのは、少々味気ないもの。大都市や有名観光スポットのあいだに、穴場的な観光地を加えることで、オリジナルなドイツ旅行プランができあがります。ぜひ、あなたもちょっぴり通なドイツ旅行を叶えてみませんか。

各都市へのアクセスについて

各駅名の後のカッコ内は、ドイツ鉄道ホームページの表記を採用しています。「Hbf」は「Hauptbahnhof(中央駅)」の略。なお、一部私鉄を利用する区間もありますが、駅や乗車方法などはドイツ鉄道と変わらないので、特段意識する必要はありません。私鉄も含め、列車の運行スケジュールは、ドイツ鉄道のホームページで検索できます。