旅の不安や疑問を解消!知っておくべきドイツの基礎知識15

はじめてのドイツ旅行を決めた、あるいはドイツ旅行を検討しているという方。

ドイツ旅行に胸を弾ませつつも、「英語は通じるの?」「チップは必要?」など、わからないことがたくさんあって不安に感じているかもしれません。

同じ先進国とはいえ、そこはアジアとヨーロッパ。日本とドイツではさまざまな違いがあります。

そこで、本記事ではドイツを旅するにあたって、事前に知っておきたいドイツの基本情報をひとつにまとめました。ドイツ旅行の予習にどうぞ!

ドイツまでのフライト時間は?

日本からドイツまでのフライト所要時間は、東京(羽田・成田)からの場合、直航便で約12時間

乗り継ぎ便を利用した場合は、14時間程度で済むフライトから、30時間以上かかるフライトまで、接続の良し悪しによってかなり幅があります。

ドイツ入国にビザは必要?

ドイツ入国にあたって、90日以内の観光目的の滞在の場合はビザは不要

ただし、ドイツはヨーロッパの移動を自由化するシェンゲン協定に加盟しており、ほかのシェンゲン協定加盟国と合わせて旅行する場合は、ドイツとドイツ以外のシェンゲン加盟国での滞在日数が、過去180日のうち計90日以内でなければなりません。

短期間の旅行であればまったく気にする必要はありませんが、数ヵ月間にわたってヨーロッパを周遊するような場合は注意が必要です。

なお、シェンゲン圏を旅行する場合、入国審査は最初に経由する加盟国国で行われます。たとえば、KLMオランダ航空でアムステルダムを経由し、フランクフルトに向かう場合、入国審査はアムステルダムで受けることになります。

通貨は?

ドイツはEUの共通通貨であるユーロを採用しています。(1ユーロ=約132円:2018年4月現在)

補助通貨はセントで、100セント=1ユーロです。

日本国内の銀行でも日本円からユーロへの両替は可能ですが、ドイツにも両替所や国際対応のATMはたくさんあるので、必ずしも日本で用意していく必要はありません。

時差は?

日本とドイツの時差は、通常8時間。ただし、ドイツでサマータイムが実施される期間中は7時間に縮まります

「サマータイム」といっても、その期間は長く、3月の最終日曜~10月の最終日曜まで。

特にドイツ滞在中に時間が切り替わる場合、それを知らずにいると、フライトや列車の時間などに遅れてしまう恐れもあります。ドイツ滞在が3月の最終日曜または10月の最終日曜と重なる場合は、ご注意を。

電圧とプラグの種類は?

ドイツの電圧は230Vで、プラグはCタイプが一般的

パソコンやスマホ、デジカメなどのデジタル機器はユニバーサル電圧対応のため、日本で買ったものがそのままドイツでも使えることがほとんどです。(「AC100-240V」と表示されていればドイツでもそのまま使用可)

気を付けたいのがヘアドライヤー。海外対応のヘアドライヤーを購入するか、変圧器を持参するかしないと、日本の一般的はヘアドライヤーはドイツではそのまま使えません。

また、日本とドイツではプラグの形状が異なるので、コンセントの形を合わせる変換プラグは必ず必要になります。ドイツでも購入可能ですが、アマゾンで安く買えるので日本で用意していくことをおすすめします。

気候は?

地域差もありますが、ドイツの気候はおおむね日本よりも寒冷。

年によって、地域によって差もありますが、ドイツでは11月から3月ごろまでは真冬の寒さになることが多いです。ドイツでは日本よりも2ヵ月ほど冬が長いと思っておくといいでしょう。

春や秋は、朝晩と日中の気温差が激しい日が多いので要注意。コンパクトなダウンジャケットなど、かさばらない羽織もので調節するのがおすすめです。

また、ドイツは降水量こそ日本より圧倒的に少ないものの、天気のはっきりしない日が多く、特に冬は曇りや雨がちになります。雨の総量は少ないですが、一時的に雨がぱらつくなど、一日のなかでも時間帯によって天気が変わることが多いので折り畳み傘は必須です

英語は通じるの?

ドイツの公用語はドイツ語ですが、英語の通用度も極めて高く、一般的な観光旅行ならある程度の英語ができればコミュニケーションに困るということはないはずです

英語とドイツ語は同じゲルマン語派。しかも英語のほうが文法がシンプルなので、ドイツ人にとって、英語はとても学びやすい言語なのです。

ただし、地域や世代によっては英語がやや通じにくいことも。例えば旧東ドイツの小さな町は英語がやや通じにくい傾向にありますが、それでもホテルやレストラン、観光施設などには誰かしら英語ができる人がいるので、普通の観光旅行で英語がまったく通じなくて困ることはほぼないでしょう。

チップは必要?

ドイツにはチップの習慣があり、セルフサービスでないカフェやレストランを利用した場合はチップを払う必要があります

ドイツのカフェやレストランでは、原則テーブル会計。ドイツでは、アメリカのように店を出るときにチップをテーブルに置いていくのではなく、接客の担当者にチップも含めた金額を直接手渡しします

チップの目安は伝票金額の10パーセントほど。10パーセント前後を加えて端数が出ないようにすればよく、厳密に10パーセントを計算する必要はありません。

チップである以上、どんな場合にも必ず払わなければならないというわけではありませんが、ドイツにおいては、チップを払わないということは「サービスに不満があった」という意思表示になることを覚えておきましょう。

トイレは?

ドイツでは公共のトイレは原則有料。町の中心部の広場などに公衆トイレが設けられていることが多いです。(料金は50セント~1ユーロ程度)

公衆トイレ以外では、デパートの上階にトイレがあることが多いほか、鉄道駅にもトイレがあります

鉄道駅のトイレは基本有料。デパートは店によって異なりますが、チップを置くトレイが設置されていて、利用したら少額の小銭(20セント~50セント程度)を置くのが一般的です。観光客の利用が多いフランクフルトのデパートなどでは、「一律50セント」などと利用料が決められていることも。

日本に比べ、ドイツではどこにでもトイレがあるというわけではないので、観光施設やレストラン・カフェなどに入ったら必ずトイレに行っておきましょう。公衆トイレが見つからない場合、カフェでチップを払ってトイレだけを借りることも可能です。

なお、ドイツ語で女性は「Damen」、男性は「Herren」。男女を示すマークがなく、このドイツ語だけが表記されているトイレも多いので、覚えておくと便利です。なかには「D」「H」と、頭文字だけが表記されていることも。

無料Wifiの普及度は?

ドイツに「技術大国」というイメージをもつ人も多いかもしれませんが、ドイツは無料Wifiに関しては決して進んでいるとはいえません

ドイツでWifiが無料で使えるのは、ホテルやICE(ドイツ版新幹線)、大都市の駅、大都市のカフェやレストラン(すべてではない)、一部の観光施設などです

無料Wifiの普及度でいえば、ドイツは日本とそう大差ないのが現状です。普通の観光旅行であれば、ホテルの無料Wifiでこと足りるとは思いますが、「常にインターネットがないと困る」という場合、日本でWifiルータをレンタルしておくといいでしょう。

クレジットカードは使える?

ドイツでは、チェーンのスーパーマーケットやドラッグストア、ブランドショップ、デパートなどではクレジットカードが使えます。ただし、小規模なレストランや、低価格のレストラン、薬局などはまだまだクレジットカードが利用できない店が多いのが現状。

無料Wifi同様、クレジットカードの通用度も日本と同等と考えておくといいでしょう。

なお、ドイツでクレジットカードを利用する場合、暗証番号の入力を求められることが多いので、わからない方は今のうちに確認を。

水道水は飲める?

ドイツの水道水は飲用可能です。ただし日本とは違い、ドイツの水道水は硬水。体質やコンディションによっては、水が変わると体調を崩すこともあるので、心配な人はミネラルウォーターを飲むといいでしょう。

また、ドイツではよく炭酸入りの水が飲まれます。レストランやカフェで単に「水」と注文すると炭酸入りの水が出てくる可能性が高いので、炭酸水が苦手な方は「炭酸なし」と念押ししたほうが無難です。

「炭酸なし」の表現は、ドイツ語で”ohne Kohlensäure (オーネ・コーレンゾイレ)” や”ohne Gas(オーネ・ガス)”、あるいは英語で”without gas”などと言っても構いません。

商店の休日は?

よほどの田舎でない限り、年中いつでも買い物ができる日本とは異なり、ドイツでは日曜・祝日にはスーパーマーケットも含めほとんどの商店が閉まります

ドイツ到着日は日・祝にあたる場合、現地での買い物は原則できないので、すぐ必要なものはすべて日本で揃えておく必要がありますし、旅行最終日が日・祝の場合はその日はお土産が買えません。

ドイツでの買い物は計画的に。特にクリスマスやイースターなど、休業日が続く時期は要注意です。

消費税の税率は?

ドイツでは、ほとんどの商品に19パーセントの付加価値税(消費税)がかかっています。(ただし、書籍と食品は7パーセント)

免税対象店舗で一度に25ユーロ以上の買い物をした場合、EU域外に持ち出すことを前提に、付加価値税の還付が受けられます。高額な買い物をする際は、その店が免税対応かどうかを事前に確認しましょう。

国内の移動は?

鉄道網が発達しているドイツ国内は、鉄道での移動が便利。安さを重視するならFlixbusなどの格安バスもおすすめです。

また、長距離を一気に移動する場合には、LCC(格安航空会社)の利用を検討するのもいいでしょう。LCCを使う場合、飛行機のほうが鉄道より安く上がることもあります。

ヨーロッパの公共交通機関の運賃やスケジュールを比較できるGOEUROというサイトを使えば、鉄道、バス、飛行機が一括で比較できてとても便利です。

なお、ドイツでは、日本に比べ鉄道もバスもよく遅れます。ドイツ国内を個人で移動する際には、時間に余裕をもってスケジュールを組んでくださいね。

おわりに

ドイツ旅行の不安や疑問、解消していただけましたでしょうか。

あなたのドイツ旅行が忘れられない思い出になることを願って。Gute Reise!