ドイツ旅行のベストシーズンは?気候とおすすめの服装・持ち物を伝授

せっかくのドイツ旅行。気候のいい時期にめいっぱい満喫したいですよね。

そこで気になるのがドイツ旅行のベストシーズン。ドイツの気候と旅行におすすめの時期、失敗しない服装や持ち物をあわせてご紹介します。

ドイツ旅行のベストシーズン

まず結論からお伝えすると、ドイツ旅行のベストシーズンは初夏から夏(5月中旬~9月上旬ごろ)です

当然のことながら、オクトーバーフェストやクリスマスマーケットなど、特定のイベントに参加したい場合にはその時期に合わせて旅をする必要がありますし、何を求めるかによってドイツ旅行のベストシーズンは異なります。

しかし、一般的な観光のベストシーズンでいえば、間違いなく5~9月ごろ。というのも、この時期のドイツはほかの時期に比べて天気が良く、おまけに日照時間も長いからです

天気が良いというのは非常に重要なポイントで、旅行中毎日曇りや雨の日が続けば気分が盛り下がるだけでなく、どんな美しい風景もいまひとつ写真映えしません。

空が青いというだけで、写真の美しさは何倍にもなりますし、夏のドイツは緑や花が鮮やかで、美しい風景をさらに引き立ててくれます。

日照時間が長いのも大きなメリットで、最も日が長くなる6月は22時ごろまで明るさが残ります

反対に、冬のドイツは16時半ごろには暗くなってしまうので、活動時間に制約が出てきますし、冬期は営業時間を短縮したり、閉業したりする観光スポットもあり、観光が不完全燃焼になりがち。

「真夏は暑いのでは?」と思われるかもしれませんが、ドイツは湿度が低いので、同じ気温よりも日本よりはずっと快適に過ごせます

気候のいい時期に、アクティブにドイツ観光を満喫するなら、やはり5~9月がおすすめです。

7・8月のハイシーズンを避けられれば理想的

一般的に、ドイツ旅行のベストシーズンは5月中旬~9月上旬ごろですが、そのなかにも理想的な時期と、できれば避けたい時期が存在します。

できれば避けたいのが、ドイツのみならずヨーロッパ全体が旅行シーズンのピークを迎える7・8月。この時期は航空運賃も高騰しますし、宿泊費も値上がりします。

しかも、観光客が多いので、どこに行っても混んでいて、人気の観光スポットともなれば入場までに長い待ち時間が発生することも。

5~9月のベストシーズンのなかでも、できれば最も混雑する7月と8月を避け、5月中旬から6月下旬、あるいは9月上旬にに旅行ができれば理想的です

5月上旬ではまだ肌寒い可能性がありますし、9月も中旬を過ぎると早くも気温が下がってくることが多いためです。

ドイツの四季

日本と同様ドイツにも四季がありますが、ドイツの季節は日本ほどはっきりと4分割できるわけではありません。

ドイツの四季で特徴的なのは、冬が長いこと。たいてい、日本よりも1ヵ月早く冬が訪れ、日本よりも1ヵ月遅く冬が終わります。11月も半ばを過ぎると、日本人にとっては真冬とも感じられる寒さになります。

さらに年によっては冬がぐずぐずと長く居座り、6月ごろまで冬を引きずっているような日が断続的に続くこともあります。「ドイツでは一年の半分は冬だ」といわれることがありますが、これが決して誇張ではない年もあるのです。

そのため、「〇月から〇月まで」と分けるのは実は難しいのですが、参考までにドイツの四季の傾向をご紹介したいと思います。

下記でご紹介するドイツの四季は、一般的な区分とはやや異なりますが、より日本人の体感に近くなるように分類しました

※国土が縦に長い日本の気候を一括りにするのは無理がありますが、ここで「日本」というときは、特に寒いわけでも、特に暑いわけでもない、日本の平均的な気候の地域を指していると理解していただければと思います。

ドイツの春(4~5月)

日本でも春は天気が不安定ですが、ドイツも春は非常に難しい季節です。

特に4月は天気や気温の変化が大きく、一日のなかでも晴れたり、曇ったり、雨が降ったりと、天気がころころ変わることが多いです

天気によって気温も乱高下し、この時期の天気や気温は直前までなかなかわかりません。地域によっては雪が降ることもあります。

4月にドイツを旅行するのは一種の賭け。下手をするとまだまだ冬を引きずっているかのような寒さで、運が良ければ日本の5月のようなさわやかな初夏の気候が楽しめます。

不安定な4月をすぎ、5月に入ると天気が安定し始め、新緑が美しい季節になります。日中はTシャツ一枚で過ごせる日も増え、各地のアイスクリーム屋さんも天気のいい週末には行列ができるほどの盛況ぶりになります。

本格的に暖かくなってきて、ドイツの春の味覚・シュパーゲル(白アスパラガス)も登場し、一年でドイツ人のテンションが最も上がるのが5月かもしれません。

旅の服装アドバイス

4月にドイツを訪れるなら、日本用のスプリングコートだけでは心もとないので、冷え込んだ場合に備えて薄手のダウンジャケットを用意することをおすすめします

5月も雨が降ると冷えることがあるので、まだまだ油断は禁物。寒がりの方はヒートテックのようなあったかインナーと、極薄のダウンジャケットを用意するといいでしょう

5月は夏の陽気になることもあるので、気温が上がった場合に備えて、半袖や7分袖のトップスも用意しておくと便利です。

ドイツの夏(6~8月)

日本と比べ、ドイツの夏は儚くあっという間に終わってしまう印象です。短い夏を満喫しようと、ドイツ人はサイクリングをしたり、レストランのテラス席で食事をしたりと、天気の良い日はとにかく外で日光を浴びることを好みます。

6月には夏至を迎え、その日を頂点に日照時間は徐々に短くなっていきます。とはいえ、夏のドイツは21時か22時ごろまで明るさが残るため、夜遅くまで安全に出歩くことが可能

7~8月は日中の気温が30℃を超えることも多いですが、日本と違って湿度が低いので、ドイツの夏は多くの日本人にとって非常に過ごしやすいと感じられるはずです。

しかし晴れると日差しが強いので、日焼け止めなど紫外線対策はきっちりと。夏のドイツの太陽は刺すように目に入り込んでくるので、サングラスもあると便利です。

旅の服装アドバイス

日中は半袖一枚で過ごせることが多いですが、天気の悪い日や朝晩には冷え込むこともあるので、夏といえどカーディガンなどの羽織ものは必須

寒がりな人は、念のため、ストールやヒートテックなどのあったかインナーも用意しておくといいでしょう

ドイツの秋(9~10月)

ドイツの秋は一瞬です。「夏が終わってしまった!」と思ったら、あっという間に気温が下がり始め、10月には早くも冬がもうそこまで近づいてきているのを感じます

この時期の天気も事前の予測が難しく、10月でも晴れて気温が上がれば日中はTシャツで出歩けることもあれば、天気が悪いとダウンジャケットが必要になることもあります。

年や地域によっても異なりますが、ドイツの紅葉の見ごろは10~11月。ドイツは日本よりも1ヵ月早く冬が訪れるゆえ、紅葉の見ごろも日本より早めです。

旅の服装アドバイス

秋のドイツ旅行に準備すべき服装は、春とだいたい同じです。

9月に旅行するなら、防寒用の薄手のダウンジャケットとあったかインナー、ストールに加え、気温が上がった場合のために半袖や7分袖のトップスを

10月はより防寒のほうに力を入れ、半袖や7分袖のかわりに薄手のニットを用意するのがおすすめです

ドイツの冬(11~3月)

長く暗く寒いドイツの冬は、ドイツ人にとっても非常に憂鬱な季節です。単に寒いだけではなく、日照時間も短く、多くの日が曇りまたは小雨になる冬のドイツ旅行はあまりおすすめできません

冬のドイツの曇りというのは日本の曇りとは違って、鉛色の雲が低く垂れ込め、非常に暗い印象になります。そんな日は、気分が滅入るだけでなく、どんなに頑張って風景写真を撮ってもいまひとつぱっとしないのが困りもの。

あえて冬にドイツを訪れる価値があるとしたら、クリスマスマーケットの時期でしょう。アドベント(クリスマス前の4週間)の時期には、ドイツ全土で大小のクリスマスマーケットが開催され、ロマンティックなムードに包まれます。

寒空の下、「寒い寒い」といいながら、グリューワインを飲むのはなかなかオツなものです。ただし、ドイツのクリスマスマーケットは、クリスマス当日よりも前に終了するので、事前に開催日の確認を。

一般的に、ドイツが最も寒くなるのは1~2月。日中でも氷点下になることは珍しくなく、年や地域によっては最低気温がマイナス30℃程度になることもあります

日本ではもう春に分類される3月ですが、ドイツでは天気が悪い日が多いので、気温も上がらず、まだ冬だと思っておいたほうがいいでしょう。

旅の服装アドバイス

冬のドイツ旅行のキーワードはとにかく防寒。ヒートテックの「極暖」「超極暖」など、あったかインナーは最大限暖かいものを選んでください

女性の場合も、冬はスカートではなくパンツスタイルが大原則。それでも、パンツ一枚では寒いので、パンツの下にさらに厚手のタイツやレギンスを履くことをおすすめします。

マフラーや手袋はもちろんのこと、真冬のドイツは帽子も必須。できればニットキャップなど、耳までしっかり隠れるものを選んでください。

日本から持参すると役立つのが、使い捨てカイロ。ドイツで日本式の携帯カイロを見かけることはほとんどなく、現地調達は困難なので、必要なら日本から持っていきましょう。

3月は真冬ほどの防寒対策は必要なく、ニットとあったかインナー、薄手のダウンジャケットとストールがあればたいていはしのげます

降雨量は少なくても降雨日は多い

ドイツの天気に関して留意しておきたいのが、降水量は少なくても、降雨日は意外に多いこと

ドイツのガイドブックを見ると、よくベルリンの降水量と東京の降水量のグラフが載っています。降水量だけを単純に比較すると、ベルリンの降水量は、東京の半分以下。

「ドイツって雨が少ないんだ!」と思ってしまいがちですが、必ずしもそうとはいえません。

日本のように雨が一日中降り続く日や、土砂降りになることは少ないものの、一日のうちどこかしらのタイミングで雨が降る日というのは多いものです

それゆえ、ドイツ旅行には折り畳み傘が必須。朝晴れていても午後から雨になったり、断続的ににわか雨が降ったりすることもあるので、朝の空を見ただけでは、なかなかその日一日の天気がわからないのが実情です。

ドイツ旅行の服装は機能性重視で

季節を問わず、ドイツ旅行の服装はファッション性よりも機能性を重視するのがおすすめです

そもそもドイツはファッション性よりも機能性を重視するお国柄なので、Tシャツとジーンズ、スニーカーでほとんどどこへでも行けますし、まったく恥ずかしいことはありません。

女性が気をつけたいのが靴。ドイツの旧市街は石畳の道が多いので、ヒールのある靴では歩くのが大変です。

スニーカーやフラットブーツなど、ドイツを旅行する際には季節を問わず、ヒールのない歩きやすい靴で出かけるのがベストです

おわりに

ドイツの四季には、それぞれに固有の魅力があるのは確かですが、やはり旅行に適したベストーズンは5~9月

「それ以外の時期には旅行が楽しめない」なんてことはありませんが、寒い、天気が悪い、日照時間が短いといったデメリットがあるのは確かです。

ベストシーズンに旅行ができれば理想的ですが、冬にしか休みがとれないという方もいるでしょう。

冬のドイツ旅行にもメリットがないわけではなく、クリスマスマーケット開催中の有名都市を除き、冬のローシーズンには航空運賃や宿泊費が下がるという利点があります

それぞれの季節の特徴を知ったうえで、適切な服装を準備していけば、ドイツはいつでも魅力あふれる姿を見せてくれるはずです。