まさに荘厳、ホーエンツォレルン家の墓所がある「ベルリン大聖堂」

激動の歴史を歩んできた、ドイツの首都ベルリン。

ベルリンの壁やブランデンブルク門をはじめ、世界的にも有名な観光名所を多数抱えるベルリンで、見逃せないスポットのひとつがベルリン大聖堂です。

戦火による被害を乗り越えて、再び堂々たる姿を見せる大聖堂からは、ドイツ人の不屈の精神が感じられます。

貫録満点!ベルリン大聖堂

シュプレー川の中州にある、ベルリンの博物館島に建つベルリン大聖堂は、ベルリン最大の教会であると同時に、ベルリンで最も重要なプロテスタント教会。名実ともに、ベルリンを代表する教会です。

その歴史は1465年にさかのぼり、ブランデンブルク選帝侯やプロイセン王、ドイツ帝国皇帝などを輩出したホーエンツォレルン家の記念教会でもあります

何度か建て替えや修復が行われており、現在のような姿になったのは1905年のこと。ヴィルヘルム2世の命により、建築家ユリウス・ラッシュドルフの設計に基づき、イタリア盛期ルネッサンスとバロックを組み合わせた様式で建てられました。

第二次世界大戦下の爆撃で大部分が破壊されてしまいましたが、戦後長い時間をかけて段階的に再建が行われ、2006年になってようやく全体の再建が完了。かつての威容を取り戻したのです。

大聖堂前に広がるルストガルテンは、ベルリンっ子の憩いの場。正面の噴水とともに眺めるベルリン大聖堂は貫録たっぷりで、戦後再建されたとは思えないほど、ずっしりとした歴史の重みを感じさせます。

華麗なるドーム

ドイツの大聖堂はロマネスクやゴシックの様式をもつものが多いですが、ベルリン大聖堂はそうしたドイツの典型的な大聖堂とは異なる外観をもっています。

ベルリン大聖堂を特徴づけているのが、114メートルの高さを誇るターコイズブルーのドーム

ドームの内側は八福(イエスが行った最初の重要な説教である山上の垂訓のなかで説いた八つの幸福の教え)を表す8つのモザイク画とステンドグラスに彩られていて、その美しさに思わず吸い込まれてしまいそうです。

荘厳なる大聖堂内部

ベルリン大聖堂の内部は、まさに「荘厳」という表現がぴったりの空間。白を基調とした空間に、黄金色の装飾や色鮮やかなステンドグラス、動きのあるスタッコ装飾が映え、ずっと眺めていたくなるほど優雅な世界が広がっています。

とりわけ目を引くのが華麗なる主祭壇。きらびやかな黄金色の装飾とスタッコ装飾は、実に細やかかつ立体的で、見れば見るほどその素晴らしさに圧倒されます。

壁を飾るステンドグラスが表しているのは、キリストの誕生と受難、復活。丸屋根に設置されたステンドグラスの天使は、それぞれ信頼、愛、希望を表現しています。

7269本ものパイプをもつ、巨大なパイプオルガンにも注目。ヴィルヘルム・ザウアー製作のこのオルガンは、ロマン派時代後期のものとしては、世界で最も大きく、かつ最も重要なパイプオルガンだといわれています。

ホーエンツォレルン家の墓所

ベルリン大聖堂は、ホーエンツォレルン家の墓所として有名。16世紀末から20世紀初頭までの一族の棺が94も並ぶクリプト(地下墓所)は、ヨーロッパで最も重要な墓所のひとつとされています

クリプトのみならず、大聖堂の地上階にあるセレモニー用の2つの黄金色の棺も必見。これらは、初代プロイセン王フリードリヒ1世とその妃ゾフィー・シャルロッテのもので、その大きさと豪華さは圧倒的です。

ドームからベルリン市街を一望

高さ114メートルのドームの上は、展望台として公開中。270段の階段をのぼった先にはベルリン市街のパノラマが広がり、博物館島やテレビ塔など、さまざまなベルリンの名所を眼下に収めることができます。

展望スポットとして有名なテレビ塔に比べると半分強の高さしかありませんが、大聖堂のドームには、ガラスなどさえぎるものがないのでとても開放的。ここからの眺めは一見の価値ありです。

おわりに

王都の栄華、第二次世界大戦の辛苦と、紆余曲折だった数世紀を象徴するベルリン大聖堂からは、ベルリンとドイツの歴史の重みが感じられます。

そして、大聖堂はこれからの数世紀も変わらずにベルリンの町を見守っていくことでしょう。

ベルリン大聖堂を訪れたら、フリードリヒ1世が王妃に捧げたシャルロッテンブルク宮殿にも足を運んではいかがでしょうか。

【ベルリン】王妃に捧げた美しき夏の離宮「シャルロッテンブルク宮殿」

「ベルリン大聖堂」
住所:Am Lustgarten, 10178 Berlin
公式サイト:https://www.berlinerdom.de/
アクセス:100、200番バスでLustgarden下車すぐ、またはUバーン(地下鉄)、Sバーン(近郊列車)Alexanderplatz駅から徒歩10分