ドイツ観光人気No.1、ハンブルクの「ミニチュアワンダーランド」に夢中

ドイツ第2の都市ハンブルクは、活気あふれる港町。

2015年には歴史的な倉庫街が世界遺産に登録され、次に行きたいドイツの都市として注目が高まっています。

そんなハンブルクが誇る観光スポットが、ドイツの人気No.1観光スポットにも選ばれた「ミニチュアワンダーランド」。その名の通り、驚くべきミニチュアの世界が広がる大注目のテーマパークです。

ドイツの人気No.1観光スポット「ミニチュアワンダーランド」

近年ドイツで最も勢いのある観光スポットのひとつが、ハンブルクにある「ミニチュアワンダーランド(Miniatur Wunderland)」

ドイツ観光局が世界各国の旅行者を対象に実施したアンケートをもとに決定された「2017年 ドイツの人気観光スポットTOP100」で、ミニチュアワンダーランドは堂々の第1位に輝きました

ノイシュヴァンシュタイン城やケルン大聖堂、さらにはローテンブルクやハイデルベルクなどの人気都市をさし置いて、ドイツで最も人気の観光スポットに選ばれたミニチュアワンダーランドの魅力とは・・・?

ミニチュアワンダーランドは、2000年に制作が始まった世界最大の鉄道模型テーマパーク。世界各地の鉄道に加え、そのエリアを代表する建造物やそこに暮らす人々が驚くほど細かに再現されたジオラマで、おおむね実物の1/87の大きさでさまざまな風景や場面が再現されています。

それだけを聞くと、「鉄道の模型?特に興味ない…」と感じる人も多いかもしれません。

ところがこのミニチュアワンダーランド、鉄道模型への興味のある・なしに関係なく、訪れた誰もを魅了してしまう魔法のような場所なのです

9エリアにわたる壮大なミニチュア世界

2階~4階(日本式3階~日本式5階)の3フロアにまたがる館内では、アメリカ、スカンジナビア、ハンブルク、中部ドイツ、クヌッフィンゲン空港、バイエルン、スイス、オーストリア、イタリアの9エリアにわたる壮大なミニチュア世界を展開中。

展示されている列車の車両は1000両以上、信号は1300基以上、人形は26万体以上もあり、これまで制作に費やされた時間は76万時間以上と、「ミニチュア」にもかかわらず、途方もないスケールなのです

アメリカのグランドキャニオンや、ドイツのノイシュヴァンシュタイン城、ローマのコロッセオなど、「これ知ってる!」と言いたくなるような風景が盛りだくさんで、あっという間にその世界観に引き込まれてしまいます。

町をまるごと再現する驚異の細かさ

いくら「すごい」「細かい」といっても、百聞は一見に如かず。実際に、ミニチュアワンダーランドがあるハンブルクのジオラマを見てみましょう。

2017年に誕生したハンブルクの新名所、エルプフィルハーモニをはじめとする斬新なビル群。外観はもちろんのこと、建物の内部までしっかりと造りこまれているんです

このビルの内部では、なにかの撮影が行われていたり、展覧会が行われていたり、講習会が行われていたり、人々が食事を楽しんでいたり・・・

単に風景や町並みを再現するのみならず、そこに暮らす人々の生活を含め、町がまるごと再現されているのがミニチュアワンダーランドのすごいところなのです

ハンブルクにある有名な歓楽街「レーパーバーン」では、セクシーな女性が視線を送っている様子や、ミニチュアワンダーランドがある倉庫街では、建物の前に行列ができている様子も・・・

ミニチュアワンダーランドの一つひとつの風景のなかにストーリーが隠されていて、見れば見るほど面白い。「ここにはどんな物語があるんだろう」と思わせられるからこそ、子どもだけでなく大人も夢中になってしまうのです

列車の運行はコンピューター制御

「世界最大の鉄道模型テーマパーク」といわれるだけに、各エリアでは列車が重要な役割を担っています。

列車の運行はすべてコンピューター制御。展示フロアの片隅には、50台ほどのコンピューターが並ぶコントロールセンターがあり、列車の運行はもちろんのこと、車や船など動くものすべてを管理しています

ミニチュアワンダーランドでは、20分ごとに昼と夜が入れ替わる照明効果、音響効果、潮の満ち引きといった仕掛けもあり、館内全体に影響を与える仕掛けや、大掛かりな仕掛けのほとんどはここでコントロールされています。そのスケールやスタッフの真剣な仕事ぶりは、空港の管制室さながら。

大人も子ども釘付けのクヌッフィンゲン空港

ミニチュアワンダーランドのハイライトのひとつが、架空のクヌッフィンゲン空港。空港の滑走路では、飛行機の離着陸が再現されていて、ここから飛び立つ飛行機や、ここに到着する飛行機の様子が見られます

驚きなのが、本物の空港のように、出発・到着便の情報がボードで表示されていること。「〇時〇分、〇〇航空の便が到着」とあれば、本当にその時間通りにその飛行機が空港に降り立つのです。

到着便があるときは、手作り感満点のゲートを通って、舞台裏から飛行機の模型が飛び出してきます。高度なコンピューター制御と、温かみのある手作り感の両立が、ミニチュアワンダーランドから目が離せなくなってしまう理由のひとつでしょう

フォトジェニックなイタリア

ローマやヴェツィア、南イタリアなどを再現したフォトジェニックなイタリアも人気のエリア。巨大なコロッセオでは、写真を撮る観光客が再現されていたり、トレヴィの泉では実際にお金を入れられる場所があったり、遊び心満点です。

色とりどりの建物のあいだを運河が走るヴェネツィアはひときわフォトジェニック。普通に写真を撮るだけで、「これは何!?」と思うような写真が撮れてしまいます。

人物に目をやるとと、ヴェネツィア名物のカーニバルやヴェネツィア音楽祭が開催されていたり、ボートから運河に荷物を落としてしまった観光客が慌ててそれを拾おうとしていたり、細かいところまで見れば見るほど、さまざまな発見があります

南イタリアのポンペイで必見なのが、定期的に起こる火山の噴火。轟音が響き火山が噴火したかと思えば、熱く煮えたぎるマグマが流れる様子は、ミニチュアとは思えないほどの迫力です。

ボタンを押すと仕掛けが動き出す

ミニチュアワンダーランドへの模型のそばには、200以上の押しボタンが設置されています。このボタンを押すと、レスキューヘリが動きだしたり、スペースシャトルが発射されたり、ビーチに居る人が運動を始めたり、ライブ会場で音楽とダンスがはじまったり・・・

自分がボタンを押すことで、ミニチュアの世界で何かが起こるという楽しみは格別。「ここではどんな仕掛けがあるのかな?」と、あちこちのボタンを次々に押したくなります。

人間世界で巻き起こる「事件」

ヨーロッパ内外の鉄道や名所に加え、人物も含めた町全体が再現されているのがミニチュアワンダーランドの魅力。

このミニチュア世界では、人々が食事をしたり、電車を待ったり、買い物したり、スポーツ観戦をしたり、日光浴をしたりといった、ほのぼのとした日常の光景に加え、火事や交通事故、水死体発見など、さまざまな事件も起こっています。

交通事故が起こって警察が駆けつけていたり、消防が必死で消火活動にあたっていたりと、いいことや楽しいことばかりではないリアルな人間世界にいっそう惹きつけられてしまいます

あのキャラクターも登場

見れば見るほど、クスッとしてしまうような演出が満載のミニチュアワンダーランド。「登場人物」は、必ずしも人間ばかりではありません

ハンブルクのアパートの一室をのぞいてみれば、住民はセサミストリートのキャラクターたち!

アメリカでプロペラ飛行機の整備にあたっているのは、バッタのような宇宙人のような謎のキャラクター。

スイスではハイジやペーター、クララ、スカンジナビアでは長靴下のピッピなど、ほかにもさまざまなキャラクターが隠れています。

気が遠くなるほど細かいジオラマからこうしたキャラクターを見つけるのは容易ではありませんが、だからこそ見つけたときの喜びもひとしおです

レストランやショップも併設

ミニチュアワンダーランドの2階(日本式3階)には、セルフサービスのレストランがあり、ソーセージやサンドイッチなどの軽食のほか、ケーキなどのスイーツもいただけます

レストランでは飛行機の機内をイメージした座席が並ぶ楽しい空間。さすがはミニチュアワンダーランド!ここでも遊び心を忘れていません。

レストラン横のショップではミニカーや飛行機の模型に加え、マグカップやポストカードなどさまざまなハンブルク土産もそろっています。

ミニチュアワンダーランドへのアクセス

ミニチュアワンダーランドは、世界遺産に登録されているハンブルクの倉庫街にあります

アクセスは、旅行者にもわかりやすい地下鉄(Uバーン)を利用するのがおすすめ。地下鉄Rödingsmark駅とBaumwall駅からはそれぞれ徒歩約8分です。近郊列車(Sバーン)でも行くことができ、Stadthausbrücke駅からは徒歩約10分。

ドイツでトップの人気観光スポットのわりに、ミニチュアワンダーランドの外観はあまり目立たないので、同じ並びにある「ハンブルクダンジョン(Hamburg Dungeon)」を目印にするといいでしょう。

ハンブルクダンジョンの右側にミニチュアワンダーランドの入口があるので、建物の中に入ったら、受付のある2階(日本式3階)まで上がってください。

チケットは割引もある事前購入がおすすめ

「ドイツの人気No.1観光スポット」の座に輝いただけあって、子どもから大人まで大人気のミニチュアワンダーランドは、1時間以上の待ち時間が発生することもしばしば。

ミニチュアワンダーランドを訪れるなら、チケットの事前購入が断然おすすめです

ホームページから日時を指定して事前にチケットを購入しておけば、その時間帯の入場が保証されるのはもちろんのこと、朝早くや夜遅くなど、時間帯によっては最大30パーセントもの割引が受けられるのです。通常の大人入場料は15ユーロと、決して安くはないので割引があるのは嬉しいですね。

特におすすめの時間帯は、10時以前か18時以降。そのあいだの時間帯は、たとえ事前購入でスムーズに入場できたとしても館内が混雑しているため、朝一番か夜に行ったほうがゆっくり見られます。

営業時間は日によって異なりますが、深夜まで開館している日もあるので、夜遅くに行くことも可能。ゆっくり見学するには最低2時間は必要なので、できれば閉館の2時間前までには入場しましょう

ホームページでチケットを事前購入したら、確認メールに添付されたチケットを印刷し、当日受付で提示してください。

おわりに

その名の通り、驚異のミニチュア世界が広がる「ミニチュアワンダーランド」。

今でもすでに圧巻のスケールですが、これでもまだまだ完成にはほど遠いというから驚き。これまでに制作されているのは9エリア1499平米ですが、2021年の完成時には13エリア2300平米が予定されています

2018~2019年にかけては、新エリアの「モナコ」を制作中。その後は、イングランドやフランスエリアの制作も予定されています。

さらにスケールと魅力がアップするミニチュアワンダーランドから、今後も目が離せません。

「ミニチュアワンダーランド(Miniatur Wunderland)」
住所:Kehrwieder 2-4/Block D, 20457 Hamburg
公式サイト:https://www.miniatur-wunderland.com/