ドイツの城といえば、なんといっても有名なのがノイシュヴァンシュタイン城です。
かのウォルト・ディズニーもディズニーランドの城のモデルにしたというこの城は、絵本の世界から飛び出してきたかのようなメルヘンチックな姿が魅力。
「世界一有名な城」ともいわれ、多くの人が「一生に一度はその姿を見てみたい」と願います。
ドイツを代表する観光地だけに、ノイシュヴァンシュタイン城の見学は、事前の準備と計画が肝心。
ノイシュヴァンシュタイン城の行き方や予約方法はもちろんのこと、近くのホーエンシュヴァンガウ城とあわせて、ノイシュヴァンシュタイン城を効率的に周る方法を余すところなくお伝えします。
Contents
ノイシュヴァンシュタイン城への玄関口・フュッセンへ
個人でノイシュヴァンシュタイン城を訪れる場合、たいていはまずノイシュヴァンシュタイン城への玄関口となるフュッセンを目指すことになります。
フュッセンへのアクセスは、アウクスブルクからローカル線列車で約2時間。ミュンヘンからは、ローカル線の快速で約2時間です。
城のふもとの村・ホーエンシュヴァンガウへ
ノイシュヴァンシュタイン城とホーエンシュヴァンガウ城があるふもとの村が、ホーエンシュヴァンガウ。
フュッセン駅前からホーエンシュヴァンガウへは、73、78、9606、9651番のバスでおよそ10分。
距離的には近いわりに、バスの本数は1時間に1本程度と多くないので、事前に運行スケジュールを確認しておくことをおすすめします。
城のチケットはチケットセンターで入手
ノイシュヴァンシュタイン城とホーエンシュヴァンガウ城は、いずれも城内にチケット売場はなく、ホーエンシュヴァンガウ村のホテル・ミュラーの隣にあるチケットセンターで入手する必要があります。
チケットセンターで購入できるのは、当日のチケットだけです。明日・明後日など、後日分のチケットを事前に購入することはできません。
また、事前にインターネット予約している場合でも、チケット受け取りのためにチケットセンターに立ち寄る必要があります。
チケットセンターでは、当日チケットを購入する人のための列と、すでに予約済みの人のための列に分かれているので、正しい列かどうか確認したうえで並びましょう。
ノイシュヴァンシュタイン城の予約方法
ノイシュヴァンシュタイン城は、世界中から大勢の観光客が押し寄せるドイツを代表する人気観光地。
しかも、ガイドツアーでのみ見学可能で、個人で自由に城内を見て周ることはできません。事前に予約する場合も、当日チケット売場で購入する場合も、必ず見学時間の指定があります。
夏期のハイシーズンは、チケットが売り切れている可能性もありますし、運良く当日購入できたとしても、見学時間まで何時間も待たなければならない可能性があります。
確実に城内を見学をするためには、事前予約が断然おすすめ。特に夏の観光シーズンに訪れるなら、予約は必須と考えておきましょう。
ノイシュヴァンシュタイン城の事前予約は、ホーエンシュヴァンガウのホームページで、2日前の15時(ドイツ時間)まで可能。予約保証のため、予約時に有効なクレジットカードが必要です。
事前予約する場合、1.8ユーロのサービス料が加算されますが、それでノイシュヴァンシュタイン城の見学が保証されるなら安いもの。
予約したチケットは受け取りが必要
ノイシュヴァンシュタイン城の見学を予約すると、予約確認メールが届きますが、それ自体をチケットとして使えるわけではありません。予約したチケットは、当日、見学時間の1時間半前までに、ホーエンシュヴァンガウ村のチケットセンターで受け取りが必要です。
そのため、ノイシュヴァンシュタイン城の見学時間を決めるにあたっては、「チケットセンターに1時間半前まで到着していなければならない」ということを考慮しなければなりません。
予約段階での支払いはなく、当日チケットセンターでチケットを受け取る際に、チケット料金とサービス料を合わせた金額を支払います。(現金またはクレジットカード)
ノイシュヴァンシュタイン城攻略のポイント
ノイシュヴァンシュタイン城はふもとのホーエンシュヴァンガウからやや距離があるうえ、シャトルバスや馬車に乗るにしても、混んでいる時期は長い行列ができ、すぐに乗れるとは限りません。
そのため、ノイシュヴァンシュタイン城を観光する際は、時間に余裕をもったスケジュールを組むことが大切。
ノイシュヴァンシュタイン城とホーエンシュヴァンガウ城両方を見学する場合、2つの城の予約時間は、少なくとも2時間は空けておいたほうがいいでしょう。
なお、いずれの城もガイドツアーでのみの見学となります。いつ行っても一定人数以上は城内に入れませんし、城内の写真撮影は禁止されているので、特に「朝早い時間のほうが空いているから良い」ということもありません。
ホーエンシュヴァンガウからノイシュヴァンシュタイン城へ
ふもとの村・ホーエンシュヴァンガウからノイシュヴァンシュタイン城への行き方は、おもに3つ。
ひとつは、シュロスホテル・リースルの横から出る(※工事等により変更の場合あり)シャトルバスを利用する方法。
シャトルバスは、ノイシュヴァンシュタイン城から徒歩で10~15分のところにあるマリエン橋の近くに停車します。ただし冬季は運休となるので要注意。
2つ目は、馬車を利用する方法。ノイシュヴァンシュタイン城行きの馬車の乗り場は、ホテル・ミュラー前。馬車の看板がありますし、列ができているのですぐにわかるはずです。
そして3つ目が徒歩。30~40分山道をのぼるので、体力と時間に余裕のある人向けです。ただし、夏期のハイシーズンで、バスや馬車が大行列となっている場合は、歩いたほうが早いこともあります。
特に混雑する7~8月とシャトルバスが運休となる冬季は、歩くことも覚悟して時間に余裕をもってノイシュヴァンシュタイン城を目指しましょう。
ノイシュヴァンシュタイン城とホーエンシュヴァンガウ城を周るモデルコース(所要4時間程度~)
ノイシュヴァンシュタイン城とホーエンシュヴァンガウ城を両方周る場合、タイムマネジメントや各城への交通手段など、悩ましい点が多いもの。
そこで、2つの城を効率的に周りつつ、ドイツの城観光ならではの情緒も楽しめるモデルコースをご紹介します。ホーエンシュヴァンガウ村のチケットセンターでチケットを入手したら、城めぐりスタートです。
徒歩でホーエンシュヴァンガウ城へ
まずは、ホーエンシュヴァンガウから徒歩でホーエンシュヴァンガウ城へと向かいます。
ホーエンシュヴァンガウ城はホーエンシュヴァンガウの村の中心部から近く、徒歩で5~10分程度。ホーエンシュヴァンガウ城行きの馬車もありますが、待ち時間なども考えると歩いたほうが早いでしょう。
ホーエンシュヴァンガウ城をオーディオガイドで見学
ホーエンシュヴァンガウ城に着いたら、場内をオーディオガイド(日本語あり)で見学します。
ホーエンシュヴァンガウ城は、荒廃していた12世紀の古城を、ルードヴィヒ2世の父、マクシミリアン2世が19世紀前半に再建したもの。こじんまりとしてはいますが、均整のとれたシルエットが印象的です。
ノイシュヴァンシュタイン城ほどではないにしても、ホーエンシュヴァンガウ城も人気観光地のため、事前予約が無難。予約方法等はノイシュヴァンシュタイン城と同じです。
ホーエンシュヴァンガウ城からアルプ湖を経てホーエンシュヴァンガウ村へ
ホーエンシュヴァンガウ城を観光したら、今度は来た道とは違う道を通って、徒歩でホーエンシュヴァンガウの村へと戻ります。
ホーエンシュヴァンガウ城の敷地内に「Alpensee(アルプ湖)」の標識があるので、それに従って森の中へと続く道を進んでいきましょう。
このルートで、ホーエンシュヴァンガウ城からホーエンシュヴァンガウ村までは、徒歩15分ほど。途中、エメラルドグリーンに澄み渡ったアルプ湖が眺められるので、歩くのもまったく苦になりません。
馬車でノイシュヴァンシュタイン城へ
一旦ホーエンシュヴァンガウ村に戻ったら、ホテル・ミュラー前から出ている馬車に乗って、ノイシュヴァンシュタイン城を目指します。
シャトルバスに比べて少々時間はかかりますが、馬のひづめが響く音を聞きながら馬車で山道をのぼる体験は情緒たっぷり。
馬車はノイシュヴァンシュタイン城の少し手前で停まるので、馬車を降りた場所から5分ほど歩いて城へと向かいます。
ノイシュヴァンシュタイン城をオーディオガイドで見学
ようやくノイシュヴァンシュタイン城に到着。チケットに記載されている時間になったら入城し、オーディオガイド(日本語あり)で見学します。
ノイシュヴァンシュタイン城は、中世の騎士物語に憧れたバイエルン王ルードヴィヒ2世が、自らの「理想の城」を実現すべく19世紀後半に建てたもの。
世界遺産のヴァルトブルク城をはじめ、中世の建築物からインスピレーションを得ていますが、オリジナルよりもずっと豪華に仕上げています。
ノイシュヴァンシュタイン城からマリエン橋へ
ノイシュヴァンシュタイン城観光が終わったら、ノイシュヴァンシュタイン城が一望できる絶景スポット、マリエン橋へと向かいます。
マリエン橋は、城側から見てノイシュヴァンシュタイン城の出口のすぐ左手に延びる散策路の先にあります。ノイシュヴァンシュタイン城からマリエン橋までは、徒歩でおよそ10~15分。
バイエルンの平原と湖をバックに、断崖絶壁に建つ白亜の城の姿は、「夢の城」にふさわしい美しさです。
マリエン橋からシャトルバスでホーエンシュヴァンガウへ
マリエン橋からの絶景を堪能したら、橋付近の広場から出ているシャトルバスに乗ってホーエンシュヴァンガウの村へと戻ります。
これでノイシュヴァンシュタイン城とホーエンシュヴァンガウ城、2つの城めぐりが終了。フュッセンに戻るには、ホーエンシュヴァンガウ村からさらにバスを乗り継ぎます。
宿泊と日帰りどっちがおすすめ?
ノイシュヴァンシュタイン城を訪れるとき、多くの人が迷うのが、宿泊すべきか、日帰りすべきかということ。
時間的にはミュンヘンからの日帰りや、アウクスブルクからミュンヘンに向かう途中での立ち寄り観光も可能です。
しかし、ノイシュヴァンシュタイン城へは列車とバスを何度も乗り継がなければならないため、時間に余裕のない日帰り観光はストレスになりがち。
「列車が遅れて城の予約時間に間に合わなかった」なんていうトラブルの可能性もあります。
そこでおすすめしたいのがフュッセンでの宿泊。フュッセン自体、中世の面影を残す美しい町で、素通りしてしまうのはもったいない場所です。
フュッセンに前泊して、朝から2つの城を観光し、夕方にはミュンヘンなどほかの都市へ向かうというスケジュールを組めば、ノイシュヴァンシュタイン城が無理なく楽しめますよ。